CPO日記
KDDI とスカイプが提携
2010年11月02日
KDDiがスカイプと提携したニュースは結構衝撃的と受け止められています。
しかし、これはある意味自然の流れです。パケット通信が世にでて、一般の人が利用できるようになった時から、距離イコール通信費の構図は消えたのです。
テレックスが主流のときは、テレックスの通信費が貿易の経費のかなりの部分を占める位に高く、しかも距離が長いほど高くなったものです。80年代後半にX.25のパケットデータ公衆交換網で、距離に関係ない料金体系が出現。通信費は全世界一律、しかも大きく下がりました。
その後のインターネットの普及で、Emailが文書交換の主な手段となり、通信は無料だという概念がますます一般的になりました。
音声も同様です。スカイプもVoIP(ボイスオーバIP)の位置手段として、グングンと加入者を増やし、今では全世界の5億人以上が利用するまでになりました。
スカイプユーザの増加と国際電話の売上が反比例しているのは、よく知られています。
KDDI のように大手ではあるが、シェアに伸び悩む通信会社がスカイプを正規に採用することも遅かれ早かれ起こり得ることでした。
KDDIグループのau の新型の多くの携帯電話は、これからは従来の090式の番号の他に、スカイプネームを持つことになるわけです。スカイプからスカイプユーザは当然フリーの通話料。また、au携帯のスカイプから、海外にいる友達のPCのスカイプへコールしてもフリーです。
このようなスカイプユーザの活発なコールを企業や、サービス業、店舗などは取り込まずにはいられません。いままでのダイヤルフリー番号の代わりになるほど重要になってきます。
問題は、今までのスカイプの発展の基盤はPCユーザ同士に限られた通話インフラでした。すでに企業でも、社内の担当者どうしの通話、海外支店と本店との会話、音声会議などに活躍してきました。
しかし、スカイプのコールセンターは、まだまだ一般的では有りませんでした。理由は、従来の電話交換機、それは、かなりIP化され、インターネット電話のSIPやAIXをサポートするようになっても、スカイプとの融合までは実現できていなかったのです。いままでのスカイプはPCからPC、スマートフォンからPC、スマートフォンとスマートフォンなどのように一対一の通話でのみ発展してきたのです。
スカイプ自体が、SkypeからSIPへのゲートウエイサービスを1年前に提供を開始しました。Skype Connect (当初はSkype For SIPと呼ばれていた) というサービスです。ベータ版を経て今年の9月から正式版になりました。
これを使うと、SIPベースのIP-PBXで、スカイプネームをひとつかそれ以上を持つことができ、全世界のスカイプユーザからの通話をIPPBXで直接受けることができるようになります。
その結果、代表電話のようにスカイプユーザから入ってきたコールは、オペレータの人たちが受け付けたり、IVR という自動音声応答システムで受けたり、特定の内線などのコールグループが応答したりと、様々な応用が可能になります。
SZ Expressの扱うMINI-100 IPPBXも、スカイプネームを複数個設定することができ、それを上記のように対応させることができます。小規模のコールセンターみたいな、展開も充分に可能です。
全世界からの発注やカスタマーサービスなどの問い合わせに無料の通話料で対応できるということは、きっと新しいビジネスモデルを持ったニュービジネスの出現を促すことでしょう。